●西漸運動 せいぜんうんどう
北アメリカ アメリカ合衆国 AD
アメリカ合衆国の独立後(以前からも)西方の未開地を求めて移住・開拓を進め太平洋岸にまでいたった運動。合衆国では人口が5,000人に達すると准州となり,6万人以上になったときは新しい州として加盟することができた。1803年にフランスから広大なルイジアナを,つづいてスペインからフロリダ,1845年にテキサス併合,1846年にメキシコとの戦争でカリフォルニアなど西南部を領有するようになると一層辺境(フロンティア)の西漸は進んだ。さらに1848年カリフォルニアの金鉱・ネバダの銀鉱などの発見が農民ばかりでなく,商人の移住も飛躍的に増大させた。リンカーンの制定したホームステッド法が5年のあいだその土地を耕作すれば,無償で160エーカーを与えることにしたため西部の農民は定着した。1890年にほぼフロンティアは消滅するが,創意に満ちたアメリカの自由な精神は,西漸運動が母胎であったといわれる。〔参考文献〕中屋健一『アメリカ西部開拓史』筑摩書房
猿谷要『大西部への道』新人物往来社