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●ズール族 ズールぞく

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 南アフリカ共和国のナタール州に住み,言語的にはバンツー族のングニ系に属する。人口約400万人。19世紀前半には帝王シャカが出現し,周辺の諸民族を征覇し一大軍事王国を築いた。しかしシャカの暗殺後は勢力も弱まり,1880年にイギリス軍に敗れてからは白人の支配下におかれた。トウモロコシや豆類などを栽培し多くの家畜を飼育している。とくに牛は重要な伝統的財産で特別な価値が授けられている。牛は婚姻で花嫁代償として婿側の親族から嫁側の親族に譲渡される。牛囲い(クラール)が各世帯の中心に位置し,そこは女性にはタブーである。親族関係は父系出自によって決定され,同じ地域に住む曽祖父を共通にする者たちは父系リネージを形成し,祖父を共通する者たちが法的・宗教的に重要なリネージ分節の成員となる。分節の成員たちは父系祖先を崇拝し,人生の節目や不幸に見舞われたときなどには供犠をして祖先の加護を祈る。祖先は創造神や「天の王女」という最高神よりも日常生活に重要な影響力をもつ。女は,生理中・妊娠中・出生後などは穢れた存在とされ,男や家畜を避けねばならない。しかし出産や喪主として死に立ち会うことで,女はあの世とこの世を媒介する象徴的役割を果たす。さらに幾人かの女たちは祖先の霊が憑依して占い師になることもある。

〔参考文献〕山口昌男『黒い大陸の栄光と悲惨』1977,講談社

A. I. BerGlund“Zulu ThouGht Patterns and SYmbolism”, Hurst, 1976

H. NGubane“BodY and Mind in Zulu Medicine”, Academic Press.