●スリランカ
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インド亜大陸の最南端に位置する面積6万5,600平方kmの島国。1796年以来イギリスの直轄植民地となりセイロン(CeYlon)と呼ばれてきたが,1948年英連邦自治領として独立,さらに1972年バンダラナイケ政権時代に完全独立を達成し,「スリランカ共和国」となった。その後,統一国民党のジャヤワルデネ大統領の手で,1978年憲法が改正され,現在の正式名称である「スリランカ民主社会主義共和国」と改められた。気候上は熱帯に属し,年間の平均気温は27℃に達するが,夏冬二期にモンスーンによる降雨があり,また四面を海に囲まれていることから年間の気温差は小さく,比較的しのぎやすい。おもな産業は農業で,国民の7割以上が農民である。主食の米のほか,イギリス植民地時代にもたらされた紅茶・ゴム・ココナツなどの熱帯農業が盛んで,とくに紅茶は世界的に有名である。鉱産物では,世界一の埋蔵量を誇る黒鉛のほか,鉄鉱石・雲母などを産出する。
民族的には,総人口1,520万人(1982)の73%をシンハリ人が占めている。彼らの起原は西インドのアーリア系民族で,前5世紀ごろ南インドを経て渡来したといわれる。その後前3世紀ごろ,仏教がこの地に伝えられ,以来彼らは小乗仏教を信奉してきた。次に重要な種族は,やや遅れて南インドから渡来してきたタミール人(ヒンドゥー教徒)で,総人口の19%を占める。また,少数民族として,アラビア系のムーア人(イスラーム教徒)や,かつての植民者ポルトガル・オランダ人の子孫(カトリック信徒)などがいる。政治的には,親西欧的な穏健保守の統一国民党(党首ジャヤワルデネ大統領)と社会主義・民族主義を掲げるスリランカ自由党(党主バンダラナイケ夫人,元首相)が,1948年の独立以来政権を交替してきたが,ほかに第4インターナショナル支部などの共産主義勢力やタミール人の分離独立を求めるタミール統一解放戦線などの野党勢力が存在する。同国の外交は,一貫して「非同盟中立」を基本としてきたが,前バンダラナイケ政権が,ややソ連寄りであったのに対し,現政権は西側との関係を重視し,経済的にも自由主義路線をとっている。ただ,多様な民族が多様な宗教を奉じて混住する国だけに,人種問題が内政面の最重要課題である。とくにシンハリ人とタミール人の対立抗争は,歴史的にも根深いものがあり,近年もしばしば暴動事件にまで発展している。
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