●素盞嗚尊 すさのおのみこと
アジア 日本 AD
記紀神話の神。天照大神・月読尊とともに伊奘諾尊(イザナギ)の子として生まれ,天照大神の治める高天原と対立する世界である根国の主神とされる。高天原にあって荒ぶる破壊者として行動し,姉の天照大神の天岩戸がくれの原因をなしたため,地上に追放されるが,地上に降りると性格は一変し,八岐大蛇を退治してその尾から出た草薙剣を天照大神にたてまつり,また大国主命の父または5世・6世の祖とされ,出雲系の神々の始祖と位置づけられており,建設的平和的な面が強調されている。素盞嗚尊の性格については,スサの名義をスサブ・スサマジなどの語幹で荒れすさぶ意と解して暴風雨の神格とする説があり,また神話の内容から農業神的性格・放浪する神・すべての罪穢を一身に背負った神という性格を指摘することができる。その荒ぶる神のイメージから,牛頭天王に習合され,八坂神社の祭神となった。〔参考文献〕松前健『日本神話の形成』1970,塙書房