●スコータイ
アジア タイ王国 AD
チャオプラヤー河中流域を中心とするタイ族最初の王朝(1257ころ〜1350)。タイ族は元来雲南・広西両省やインドシナ北部に住む稲作民族で,11〜12世紀にタイへ南下しクメール族の支配下に入っていた。13世紀に元朝の雲南遠征とアンコール朝の衰退に乗じてクメール族を退け,1240年ごろスコータイに独立王朝を創建。中国史料では暹国と記す。第3代ラーマカムヘン(在位1275?〜1317?)王時代にラオスからマレー半島に及ぶ大勢力を築き,元朝へ朝貢した。文化面では中国陶工を招き輸出むけ宋胡録陶磁器をつくらせ,またセイロン系上座部仏教(小乗仏教)を国教として,セイロン・ビルマ・クメール各様式を採用した仏教寺院文化を築いた。ラーマカムヘン王碑文(1283)は最古のタイ文字碑文で,王宮入口の鐘を鳴らして臣民が国王へ直訴するという正法王の王権を物語る。14世紀中ごろになると,下流のアユタヤ地方に住むタイ族の勢力下に入り,王朝は衰退した。