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●助郷 すけごう

アジア 日本 AD 

 江戸時代,宿駅の定置人馬を補うため,補助人馬の供出を割り当てられた郷村ないしはその課役そのものをいう。幕藩制初期には,臨時の補充的なものにとどまったが,参勤交替制の確立後,公用人馬の需要増に応じて,宿駅近傍農村への助郷の指定が漸次恒常化した。1694年(元禄7)東海道・中山道の助郷が確定,他の街道にも及んだ。定数の補助人馬を課された郷村を定助郷,臨時の大通行に応ずるものを大助郷と称したが,享保期には,両者の区別が廃され,事実上課徴人馬が増加された。その後,さまざまな制度の変遷をみたが,助郷村々の負担は増加の一途をたどり,幕末には,宿駅・助郷間の拠出人馬の割合が逆転するにいたった。公用の荷継ぎに対する駄賃は低く,また,交通量の増大期が農繁期と重なったため,助郷役は農村を疲弊させ,百姓一揆の原因ともなった。維新後,1872年(明治5)に廃止された。

〔参考文献〕豊田武・児玉幸多編『交通史』1970,山川出版