●犂 すき
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田畑を耕す農具で,〈り〉ともいう。日本での犂の存在は正倉院の〈子日手辛鋤(ひのねのてがらすき)〉と平安時代の諸文献が,確かで最も古い資料である。平安期の『新選字鏡』『倭名類聚抄』には〈加良須岐(支)〉とあり,『延喜式』にも犂の記載がある。犂の普及は10世紀後半からしだいに進み,『新猿楽記』や『今昔物語』などからはその様相がうかがえるが,太閤検地以降,江戸時代は停滞する。犂が大きく発達して全国的に広く使われるようになるのは明治時代中期以後で,現存する犂には,犂床の有無・長さによって長床犂・無床犂・短床犂(ちょうしょうり)の三つの型があるが,長床犂は深く耕すことができない,抱持立犂(かかえもったてすき)などといわれる無床犂は,犂床がないので操作が難しい,短床犂が最も優れた犂といえる。古い時代の犂は長床犂か無床犂で,短床犂は明治時代以前から北九州地方の一部にあったが発達・普及したのは明治後期から。なお犂には,二人犂・ズンガラスキなど,畜力によらず人がひいて使うものもある。