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●姿見の池 すがたみのいけ

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 神や貴人が水に姿を映したという伝承を持つ池。姿見の井戸・姿見の橋などとさまざまな形で語られている。香川県大内郡円生村町田の姿見神社の姿見の池は,祭神の百襲姫命(ももそひめのみこと)が姿を映した旧跡といわれる。福岡市東橋口の水鏡天神は,菅原道真左遷のみぎり,四十川に自らの姿を映し見て心痛による容貌の衰えを嘆いたとの故事にちなみ,後人が社を建てたといわれるもので,別名を姿見の天神とも称する。奈良県大野郡の常覚寺の姿見井は,姿を映しみて判然としない者は死ぬといわれ,また高野山の御廟橋の傍の井戸も,影が映らぬ人は3年以内に死ぬといわれた。これら伝説は,水に影を映し,その映像によって占いを行った習俗にもとづくものであろう。『日本書紀』仲哀天皇の条に神が神功皇后に憑(よ)りまし,〈天津水影の如く押し伏せて云々〉と言ったという話などは,古代わが国にこのような水占が行われていたことを示すものかも知れない。化粧水の伝説などとも併せ考えるべき問題であろう。

〔参考文献〕柳田国男「細語の橋」郷土研究 2〜10,1912