●水力紡績機 すいりょくぼうせきき
ヨーロッパ 英国 AD
水力で動く綿紡績機械。ウォーター=フレイムという場合は,イギリス産業革命のときの1779年,サムエル=クロンプトンによって発明されたもの。日本には,このローラーの作用と,それ以前に発明されたジェニー紡績機の糸の引き伸しと撚りかけを行う可動台の作用を結合したミュール紡績機が,維新前後から導入された。幕末,薩摩藩が輸入,明治政府もこの日本の産業革命期に二千錘ミュール機を導入した。最初は水力で運転されたが,水量の不安定なことから蒸気動力に代えられた。なお,水力に依りながら日本独特の発明であるのは臥雲辰致(がうんたつむね,1842〜1900)のガラ紡である。3年改良を続けた結果,1876年3月完成した機械は,ブリキ製の筒と糸巻が歯車によって動かされると筒の中の綿が撚りをかけられて巻かれ,その太さは重しで調節できた。愛知県三河地方に普及し,また矢作川の舟に設けた水車でガラ紡を動かした。