50音順    検 索

●徒 ず

アジア 日本 AD 

 日本では,8世紀初頭の大宝・養老律に規定されている五刑のうち,第3等刑にあたる懲役刑である。刑期は1〜3年で,半年をもって1等とし,5等までに分けられていた。刑を科すにあたっては畿内と畿外では違っていた。畿内にあっては,京に送って橋を作ったり,道路をつくるなどの雑役に使役した。婦人の場合には裁縫や舂米(つきまい)などに使役した。畿外では,その場所で官役に従事させた。徒のほかに五刑には〈笞(ち)・杖(じょう)・流(る)・死〉の四刑があるが,日本の五刑は中国の隋・唐の刑罰体系を参考にしている。中国の古い刑罰には残酷な刑が行われたが隋以降の苛酷さが緩和された形での五刑がとりいれられたものである。中国の徒などの労役刑は前3世紀になってみられるが,それも長い流血の刑罰史ののちになってのことである。日本の律では特定の身分に科す閏刑と一般人に科す正刑があり,徒などの五刑は正刑である。