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●神国論 しんこくろん De civitate Dei

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 北アフリカのヒッポの司教アウグスティヌスが14〜15年間(412〜427)を費した全22巻の大著。410年の西ゴート王アラリックのローマ略奪は,古来のローマの神礼拝をないがしろにしたキリスト教のせいだ,という異教徒の論難再燃に対し,それがいわれのない非難であることを論証し(前半の10巻),神の国(civitas Dei)と地上の国を対立させ,究極的には神の国の勝利で人類の救済は達成される(後半の12巻)と説いた。彼の歴史観は,〈神の国〉を現実の教会と同一視するオロシウスと同じで,セビリアのイシドールやフライシングのオットーに受け継がれて中世の歴史哲学に決定的影響を与えた,といわれる。だが彼の真意は,現世の歴史の安易な救済史的解釈を排除することにあり,二つの国は終末的緊張下でのみ語られる不可視の存在と理解されるべきである。