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●人工惑星 じんこうわくせい

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 人工惑星とは地球の引力の勢力圏を脱け出し,もっぱら太陽の引力に支配されて,太陽のまわりを回るようになった人工物体をいう。地球のまわりを回る最初の人工衛星スプートニク1号が飛んだのは1957年10月であるが,それからわずか15カ月後の1959年1月には,早くも月をめざすルナ1号がソビエトによって打ち上げられた。人類の月に対する憧れがいかに大きいかを示す好例でもあるが,ルナ1号は月から約600kmの近傍を通り過ぎたのち,周期450日の人工惑星“メチク(夢)”となった。

 その後,アメリカ・ソ連両国から月にむけて打ち上げられたなかのいくつかが,はずれて人工惑星となった。

 それとは異なり,初めから太陽観測をめざして打ち上げられたアメリカのパイオニア5号(1960年3月),金星をめざして打ち上げられたソ連の金星1号(1961年2月),火星をめざしたソ連の火星1号(1962年11月)などにつづいて多くの人工惑星が打ち上げられた。最近で有名なのは米国のボイジャー(1号を1977年9月5日,2号をそれに先立つ1977年8月20日に打ち上げ)で,1号は1979年3月に木星,1980年11月に土星に近接したのち,さらに遠方にむかっている。また,2号は1979年7月に木星,1981年8月に土星の近傍を通過し,1986年には天王星,1989年9月には海王星の近傍を飛ぶものと予測されている。人工惑星を打ち上げるには,まず地球引力圏を脱出可能な速度以上をもって飛行できることが必要であり,次には目的の惑星軌道に到達したときに,その惑星もその近くにいることが必要である。このため地球表面から打ち上げる時期に厳しい制限が課せられる。また,飛行経路としてホーマン軌道を選ぶと,理論的に必要な推進エネルギーの量は最小となるが,長時間飛行が要求されるので,実際にはエネルギー量は多くなるので,飛行時間が短くてすむような経路を選ぶのが得策となる。もちろん,搭載された諸機器は全時間を通じて正確に働くことが必要であり,高い信頼性が要求される。