●塵劫記 じんこうき
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江戸時代の数学書。塵は微小なること,劫は大無量になること,数算の基礎的大著として著名。著者吉田光由は角倉了以の父の末弟の曽孫に当る人物で1627年(寛永4)刊行された。明の算法統宗(1593年成立)を十分に消化,それを日常の売買・両替・運賃などについて,また検地・川普請などの技術的領域,ネズミ算・ママ子算などクイズ的事項までさし絵を用いて平易かつ詳細に説明している。塵劫記は版を重ねて近世の社会生活に適合,受け入れられ利用された。算盤入門書も含めて近世の数学の啓蒙書はそののちもおおむね『塵劫記』の書題を利用したものが多く,『早道塵劫記』『近道塵劫記』『改算塵劫記』など,枚挙にいとまがない。書の厚薄も多様で通俗書として庶民層の日常生活に利したことは,農家や旧家などに伝え残されたものの多いことからも肯ける。
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