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●知る権利 しるけんり

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 知る権利は,国民にとって必要なあらゆる情報や意見が提供され,国民がそれらを利用しうることを内容とする。この権利観念は,1953年(昭和28)にアメリカの弁護士クロスが政府機関に情報公開を迫ったとき,その根拠として主張されたことに由来する。知る権利の背景には,[1]マスコミの巨大化・独占化に伴い,国民が一方的な情報の受け手にすぎなくなったこと,[2]行政機能の拡大によって行政秘密が増大したことなどの現象が存在した。国民は,マスコミによって多様な情報が提供され,行政秘密が公開されることにより,それだけ民主政治に参加しうることになろう。最高裁判所は,博多駅フィルム提出事件において,国民の知る権利の存在を認め,報道の自由・取材の自由が知る権利に奉仕すべきことを認めた(最高裁昭和44年11月26日決定)。知る権利が問題となったおもな事件としては,アメリカ=ワシントンにおける国防総省機密文書暴露事件(1971)・沖縄密約事件(1972)がとくに有名である。