●ジョン=フラム
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1940年に英仏共同統治下にあったニュー=ヘブリデス諸島(現バヌアツ)のタンナ島(Tanna)で発生した宗教。キリスト教会と白人支配に対する不満からおこった。やがては火山が崩れ落ちて、タンナ島は白人のいない肥沃な平野となり、しかも、いま白人が享受している便利な品々をジョン=フラムが届けてくれるという預言にもとづき、白人を追放するには、白人のもたらした貨幣を捨てるべきと考え、また宣教師が禁止した伝統的な習慣を復活させた。
1941年12月の日本による開戦は、ニュー=カレドニアやオーストラリアヘ引き揚げる白人の姿をみせたし、日本軍に反攻する米軍のエファテ・エスピリツ=サント両島における大規模な基地建設は、米軍の圧倒的な物量をみせることになり、かつ駐留米軍で働く者は新しい通貨(米ドル)を得たので、〈自分は実はアメリカの王である〉とか〈息子の一人がアメリカの王に会いに行っている〉とかいうような預言も現れ、ジョン=フラム運動は、太平洋戦争中にますます盛んになったばかりでなく、ほかの島々にも同様な運動を惹起させた。
タンナ島の英国行政事務所は、運動発生以来、指導者の逮捕・投獄などを繰り返して弾圧したが根絶にいたらなかった。第二次世界大戦後は、1947年をピークに小康時代に入ったが消滅せず、宗教の一派として存続したのみならず、1970年代には政党的色彩を強め、1980年のヴァヌアツ独立後も、小ながらも一つの政治勢力をなしている。ジョン=フラムをメラネシアと同様のカーゴ=カルトとしてとらえる見方もある。