●ジョン=ボール
ヨーロッパ 英国 AD
?〜1381 イギリスの僧侶。1381年の農民一揆ワット=タイラーの乱の思想的指導者。前半生は不明。ヨークのセント=メリー大修道院付属司祭であったが,のちにコルチェスターへ移った。ここから各地を巡回し,20年間にわたってウィクリフの説をひろめ,貴族や金持の堕落に反対する説教を行って農民に決起を呼びかけた。彼の影響はケント・エセックス・イースト=アングリア地域で大きかった。1381年ケント州メィドストンの大司教の牢獄に投ぜられた。彼は獄中から農民に武装蜂起を訴え,行動についての指令を出し,一揆の開始とともに直ちに救出された。ロンドン進撃を前にブラックヒースで反乱軍に説教したが,そのさいの標語が〈アダムが耕し,イヴが紡いでいたとき,だれがジェントルマンであったか〉であった。彼は原始キリスト教的立場から,社会的平等という革命思想を提起することによって封建的な教会と国家に挑戦したが,一揆の失敗後捕えられ処刑された。