●ジョン=ケイ
ヨーロッパ 英国 AD1704 後期スチュアート朝
1704〜64 イギリスの織機改良家。飛杼(とびひ)の発明で有名。ランカシャーのベリー近くに生まれ,コルチェスターの父の毛織物工場で織布に従事。織機の改良に熱心で,1730年タテ糸用のリード(おさ)を従来の木製・角製から鉄製にして特許を得た。次にヨコ糸用の杼に着目,片手で織機中央の皮ひもを引くとバネ内蔵の左右の杼箱から杼が交互に走る装置(フライング=シャトル)を発明した(1733年特許)。これによって杼を左右の手で投げ入れる作業がなくなり織布の速度が倍加,また一人で広幅(ひろはば)物が織れるようになった。この発明は失業を恐れた織布工の反対にあい,ケイはリーズに新天地を求めたが,ここでも織元の特許料不払いにあって帰郷。1753年ごろ機械ごと暴徒に襲われてフランスに難を逃れ,この地で貧困のうちに没した。飛杼は1760年代以降イギリスで急速にひろまり,紡績機の発明を促して産業革命期の綿工業の発達に貢献した。20世紀になって彼をたたえる記念碑がベリーに建てられた。