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●定命 じょうみょう

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 人間の寿命は時期により一定量があるという仏教上の説。『具舎論』に須弥四州のうち北倶盧(ほくぐる)の人は1,000歳,西牛貨(さいごけ)の人は500歳,東勝身(とうしょうしん)の人は250歳を定命とするが,南瞻部(なんせんぶ)の人には定限がなく時期によって増減すると説かれている。すなわち,初め無量寿からしだいに減少して10歳にいたり(減劫),それから再び増加して8万歳にいたり(増劫),これを繰り返す。慧暉(えき)の『具舎論頌疏鈔(ぐしゃろんじゅしょうしょう)』には,増減の割合は100年に1歳としている。また人寿の最高を8万4,000歳とし,その際の身長を8丈余とする説がある。『大集経(だいじゅうきょう)』に釈迦の出世を減劫の人寿100歳のときとしており,これにより蓮如は〈今の時の定命は56歳なり〉(『御文章』4帖目第2通)とした。釈迦の時代の定命は100歳であったが,釈迦が80歳で入滅したことにもとづき,本来の定命より20歳を減じて56歳としたものと考えられる。このほか『立世阿毘曇論(りっせあびどんろん)』には,寿命10年に1歳,100年に10歳を減じるとの説を記している。