●上代歌謡 じょうだいかよう
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『古事記』『日本書紀』に収載されている歌謡を総称してこういう。この名称の書籍もあるが,それは近代になってからのことで,当初からこの呼び方があったわけではない。歌数は,記112首,紀128首,重出43首で,実数は197首。本来史書として編集された両書の,歴史記述の中に記録されている歌謡なので,歌謡自体の独立性は乏しいと見なければならない。歌体もまちまちで,3句の歌から49句の歌まであって,片歌・旋頭歌・短歌・長歌に分けられる。5句の短歌形式が最も多く,次いで3句・7句・6句・9句の順となっている。句の音数も5音・7音を筆頭に,6音・4音・8音の順。内容は,恋愛・戦闘・狩猟・祭祀など古代人の生活全般にわたり,歌風は明るく素朴,全身的・意欲的・野生的なたくましさが特色。口誦文芸として見れば,実に優れた原始文学であり,後の歌物語の先駆でもある。韻文文学の長い歴史を思えば,貴重な宝ともいうべきもの。解明を待っている部分も多い。