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●成実宗 じょうじつしゅう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の十三宗の一つで『成実論』を中心としている学派仏教。この論は20巻から成り,4世紀ころの訶梨跋摩の著したもので,のち姚秦鳩摩羅什がこれを訳した。成実宗の根本教典で,5聚200品あり,真俗二諦を立てて,俗諦門では諸法を5位84法として,真諦門の第一義門でまったく実有を否定して一切皆宗を説いている。このことを解説するために客観の万有を仮有・実存・真空の三諦として,主観の心を仮心・実心・空心の三心に分けている。この空観をば分析的な折空観を示し,諸大乗の体空観と異にしている。また人生観については流転・還滅の二門を説いて,究極の理想は四諦の理によって有余涅槃を得るとしている。この『成実論』はその内容よりして径部の説を多く採用している。また本論の註釈で現存するものはない。

〔参考文献〕山崎宏『支那中世仏教の展開』清水書店(平岡定海)