●巡察使 じゅんさつし
アジア 中華人民共和国 AD
中国唐代の官職名。皇帝の命を受け地方政治の監察を行った。隋末,農民暴動から治政が乱れ衰亡したあと,唐の太宗は完全統一に成功した(628・貞観2)。その際,地方との接触を重じる政策をとり,全国を州・道・県と区分した。州には県令を統率する刺史,道には巡察使を置き,諸道の実情を報告させた。また,地方官の治績を評定させ,それをもとに賞罰を与えた。則天武后の時代には,巡察使の送迎や見まわる道路の修理,飾りつけなど表面的なお祭りになり,本来の巡察と異なってしまった。のち中宗の代(706・神竜2),十道巡察使を置き,政治をよくする清廉潔白の士を選び,二年ごとに交替させた。のち按察使・安撫使などと改称。日本では,古代諸国を巡察し,国郡司の治績を調べる官職。694年(持統8),『日本書紀』に初見。奈良時代・平安時代にかけて度々巡察が行われ,地方政治の振興に力を尽した。明治初め短期間奥羽・北陸などに置かれたことがある。