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●殉教者 じゅんきょうしゃ

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 一般的には,自己の主義主張のため生命を犠牲にした者をいう。歴史上著名なのは初期キリスト教迫害におけるものである。原始教会では,イエスの生涯と復活の証人(マルトス)として,使徒たちをさしていた。その後,ローマ帝国や異教徒住民による迫害で,拷問・鉱山労働・追放処分を受けただけの者も含めて殉教者とみなされる場合も生じたが,厳密には信仰のため迫害死した者に限ってこの尊称は認められ,死に至らなかった者は「信仰告白者」(コンフェソール)と呼ばれた。当初から教会は殉教者や信仰告白者を信仰上の英雄として賞賛し保護した(テルトゥリアヌス〈キリスト信者の血は種子〉)。一般信徒もキリストの受難の追体験者として非常に尊敬し,2世紀末以来「殉教者崇拝」が盛んになり,多くの殉教者伝が書かれた。迫害は殉教者と同時に棄教者や狂信的自発的殉教者をも生み出し,とくに3世紀中期〜4世紀初期の教会に混乱をもたらした。