●シュトゥルム
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1817 ドイツ連邦
1817〜88 ドイツの写実主義の作家。シュレースヴィヒ=ホルシュタインの小都市フーズムに弁護士を父として生まれ,キールやベルリンで法律を学んだのち,故郷で弁護士を開業した。シュレースヴィヒ=ホルシュタインの帰属をめぐって,プロイセンとデンマークのあいだにおこった紛争のため,デンマーク当局から弁護士の資格を剥奪され,一時は(1853〜64)故郷を離れてドイツ本国で判事として勤務せざるをえなくなったが,帰郷後は郡長や判事として働いた。生地がビスマルクのドイツ帝国に併合されたのちは,帝国の政治情勢にひどく失望し,1880年以降,公職につくことはなかった。作品としては,『みずうみ』(1850)に代表される数多くの短編小説や抒情詩で,荒涼とした北国の風景を背景とした狭い環境のなかで,憂愁にしずみ込んだ諦念や破局に向かわざるをえなくなる人間関係を描いていたが,のちには市民的自由を求める視点をもつにいたり,最晩年の長編小説『白馬の騎士』(1888)では,人びとのために己を捨てて因習と闘う人物を書いた。