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●主題学習 しゅだいがくしゅう

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 日本における高等学校の「日本史」と「世界史」で,〈生徒の歴史的思考力を一層深めるため,歴史的な流れの学習の中で,適切な主題を設けて学習させる〉学習方法である。現行の高等学校学習指導要領(昭和53年8月30日公示)では,「日本史」は次の三つの観点をあげている。〈[1]日本の文化の発展に尽くした主な人物とその役割を,時代的背景との関連において学習できるもの。[2]歴史の展開にみられる日本の各地域の特性とその時代的変化を考察する学習ができるもの。[3]衣食住,年中行事,冠婚葬祭,生産用具などの生活文化の展開を,社会との関連において学習できるもの〉。

 また,「世界史」は次の五つの観点をあげており,さらに生徒の関心や理解度,教材の効果などの吟味の大切さを強調している点が,「日本史」の場合と異なる。〈[1]地域ごとの比較考察的または地域相互の関連的な学習のできるもの。[2]時代別・地域別または国別に,ある程度大きくまとめて学習できるもの。[3]現代の諸地域の社会と文化について,「文化人類学」などの成果を活用しながら学習できるもの。[4]世界の歴史上の事象と日本の歴史上の事象とを,比較させたり,関連させたりするなどして,世界の歴史におけるわが国の位置について学習できるもの。[5]世界の歴史上の人物について,時代的背景や地域の特質との関連などにおいて学習できるもの〉。次に,「日本史」,「世界史」ともに,〈主題の配当については,できるだけ観点の異なるものを取り上げ,特定の時代や地域に偏らないように留意する〉ことが大切とされている。また,主題学習の通史学習との指導計画上への位置づけについては,実際上は,[1]通史学習のなかに適時おりこんで行う方法,[2]大単元の学習の終わりのところで一括して行う方法,[3]通史学習全体が終わったところでまとめて行う方法,とがある。

「日本史」,[世界史」の教科書で,現在たとえばどのような主題が取り上げられているかを例示してみると,次のとおりである。

(日本史−坂本賞三ほか『高等学校新日本史』第一学習社)

○菅原道真 ○中世の結婚形態 ○祭り ○明治時代の文化と風俗(世界史1−永井滋郎ほか『高等学校新世界史』第一学習社) ○東西を結ぶ三つの道 ○東南アジアの社会と文化 ○ヨーロッパとはなにか

日本の開国と世界の動き ○アラビアのロレンス(世界史2−平田嘉三ほか『高等学校世界史』第一学習社)

○食物と食事の文化 ○歴史家司馬遷の研究 ○ヨーロッパ世界とイスラーム世界 ○世界史における17世紀 ○オセアニアの歴史と文化 ○現代の都市文明

ところで,主題学習は「世界史」については昭和35年度版から,また「日本史」については昭和45年度版からそれぞれ登場している。当時の「世界史B」に登場した主題学習は,栞学習(しおりがくしゅう)や範例学習に学んだ平田嘉三の創始によるが,これにかかわった文部省の世界史委員会の委員は,榎一雄(東京大学)・村川堅太郎(東京大学)・金澤誠(学習院大学)・木村茂夫(東京教育大学附属高校)・明石総一(東京教育大学付属駒場高校)・足立原茂徳(神奈川県教育庁)であった。そのときの主題例として,次のものが学習指導要領で示されている。

○シルクロードと東西交渉 ○イギリスの議会政治の発達 ○西部開拓と南北戦争 ○ロシア=トルコ戦争と列強の世界政策 ○ワイマール体制とその崩壊

〔参考文献〕前川貞次郎・木村尚三郎・平田嘉三編『新しい世界史教育』1・2 1972,明治図書

松田至弘『世界史教育の方法と実践』1978,教育出版センター