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●主戸・客戸 しゅこ・きゃっこ

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,宋代に固有な編籍上の概念。その内容については定説をみないが,主戸が田産を所有して両税を負担する人戸,客戸は田土を所有せず両税も納めなかったとする解釈が有力である。8世紀に入り唐の均田制が解体してゆくなかで,政府は流亡した逃戸を本籍地につれ戻すことを断念し,現住地で客戸として登録し,上戸と区別しながら税を負担させた。やがて780(建中1)年,租庸調制に代わり両税法が施行されるに及んで,社会の階層分化や流動化の現実を是認する形で税役制の抜本的再編が行なわれたが,このときの客戸は宋代とは逆に,両税を負担し差役を免ぜられている。降って宋朝は,農村の田産を保有する主戸を,資産の多寡によって5等に分けて,それに応じて税役を課すとともに等外に客戸を置いた。したがってこの主客基準は,土着か僑寓か,すなわち客戸の本義である本籍地から他郷に流寓している者を特定するという点より,田産所有の有無を重視したものと思われる。それ故,主戸でも田産を失って客戸になる場合,逆に一定の条件を充たして主戸化する客戸も存在した。原則として自己の田戸をもたない客戸は,当然,他人の土地を小作する佃戸や雇農になるなどして生計をたてねばならず,地域と時期によって差があるが,平均するとほぼ2対1の比率を示す主客戸制度と,当時一般に普及していた社会実態としての地主-佃戸制との関連が,今後究明されるべき課題である。