50音順    検 索

●戎狄 じゅうてき

アジア 中華人民共和国 AD 

 周代以後,漢民族が周辺の異民族に対して用いるようになった総称の一つ。戎テキ※注1※とも書く。東西南北の方位に,順に夷・戎・蛮・狄が熟して,各方面の未開・野蛮・強力な漢族の類種や異民族を呼ぶことが確立してくるが,時代的にやや早く現れる蛮夷や,少し遅れて出現する戎狄の称のほか,それらのなかから適宜二種を取り上げた熟語的表現も存在する。このうち,戎はおもに西方,狄は北方に関連させて使用される。起源的には,戎は西周時代のケン※注2※イン※注3※や犬戎をさしたとされ,狄は春秋時代以後,山西や河北の異民族をいったが,のちには前者は,西域諸国やその方面に勢力を及ぼす遊牧系諸民族を,後者はモンゴル高原を中心とする遊牧諸民族をさすようにもなる。このような使用法の背景には,戦国時代以後,陰陽五行の思想による方位的対置があったとされる。1858年の天津条約により夷字の不使用が決定された。

00