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●宗教の分類 しゅうきょうのぶんるい

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 現在の世界に存在する宗教は,推定数千種にのぼるという。

 世界三大宗教とは,回教・仏教・キリスト教である。上記数千種の宗教も土着原始宗教を除くと,ほぼこの三大宗教の中に加えられるという。

【回教】イスラームのことをいう。ムハンマドはアラビア半島にいたクライシュ族という遊牧民族のハーシム家の出で,西暦570年ごろ生まれたと推定されている。生涯については数多くの伝承がある。40歳くらいのころ,メッカ近郊のヒラー山洞窟で天使ガブリエルから天の啓示を受け,唯一絶対神アラーの預言者としてこの宗教を開いた。

 教義は,アラーがムハンマドを通じて啓示した言葉を記録した『コーラン』と呼ばれるものに書かれている。イスラーム社会では,この宗教が厳しく守られている。主に中近東・アフリカに分布していていわゆるイスラーム圏と呼ばれ,人類の長い歴史をひもとくとキリスト教との対立がめだっている。

【仏教】仏陀(ぶっだ)の教えであり,回教とキリスト教とは全く異質な教義をもつ。仏教はいわゆる神と人間との関係とか絶対神への服従というような意味での宗教観のわくにあてはまらない。紀元前5世紀の初めに,インドのガンジス川中流地方で興った。仏陀釈迦の説法にもとづく。

 他の二宗教と違う点は,人間のもつ基本的な苦悩を解決する道を教えることである。西暦1世紀ごろから,おもに東アジアを中心にひろまり,現在にいたっている。東洋哲学を語る上で仏教なくしては語れない。 大乗仏教・小乗仏教の区分は既にインドにあり,日本では,仏教は風土的特色が加わって数々の宗派が生まれた。

【キリスト教】現在世界最大の宗教といわれ,信者数十億人。母体となったユダヤ教の信者も現存している。聖典は,旧約聖書と新約聖書があり,両方とも正典として扱われている。

 イエスという人物が,推定紀元前4年に生まれ,紀元30年に没し,この教えを説いた。唯一絶体神であり,この宗教の特徴は“愛の神”“神の愛”を説いていることである。神の愛に対する絶対的信頼を抱いたまま,イエスは十字架につけられた。死後,弟子たちが集まり,新しい教団をつくった。これが原始キリスト教団のはじまりである。当時,ユダヤの国は大ローマ帝国の東部国境に近い属国であった。多神教のローマ帝国に,この教えをひろめるために一生をささげた聖パウロや聖ヨハネ・聖アンデレ・聖ペテロらはあまりに有名である。度重なる弾圧の嵐の中で,キリスト教は鍛えられ,成長していった。弟子たちは使徒になり,生前のイエスの教えを書きつづったものをまとめあげ,整理したのが新約聖書である。現在の新約聖書は,紀元200年ごろに完成したといわれている。

 キリスト教がヨーロッパ各地で成長をつづけ,巨大な権力を握りしめたのが中世の時代である。

 1517年マルティン=ルターが宗教改革を行い,プロテスタントと呼ばれる新しい分派が生まれた。それを新教といい,もとからあった方をカトリック・旧教と呼ぶ。

 キリスト教の日本への伝来は,カトリック教のイエズス会士聖フランシスコ=ザビエルが,1449年(天文18)に鹿児島の田ノ浦海岸に上陸した時に始まる。それ以来次々と宣教師が来日して布教をつづけた。一時は日本人の信徒30万人を数えたこともある。しかし,1587年(天正15)秀吉は厳しい禁教令をしいた。禁教令の中で信仰を棄てなかった者は数多く処刑された。そんな中で,一部の信徒は「かくれ切支丹」と呼ばれ,地下組織をつくって,表向きは仏教徒を誓い,心の中で秘かにキリスト教を信じていた。長崎の浦上が最も有名なものだった。この地下組織が発覚して,逮捕された事件を“崩れ”と呼んでいる。長い鎖国のあいだに「かくれ切支丹」の信仰する教義は少しずつ変化した。1865年長崎の大浦天主堂にいたプチジャン神父の前で,浦上の信徒たちが信仰告白をしたことはあまりにも有名である。