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●ジャルモ

アジア イラク共和国 AD 

 イラク東北部のディヤラ川の流域,チェムチェマル村の東12kmにある初期農耕村落の遺跡。1948年から3回にわたってアメリカのR.J.ブレイドウッドが調査した。遺跡は90m×120mの広さで,堆積層は8mにおよび,16の建築址の層が連続する。土器は上層の5層にかぎられ,原新石器から新石器への推移を明らかにしている。住居は複数の小部屋に区切られた長方形をなし,泥壁や床には漆喰(しっくい)がぬられ,50軒前後の住居に300人くらいが生活したとみられている。フリント・黒曜石製の打製石器や石皿・磨り石などの磨製石器,動物や人物を表現した土偶,石製の容器類が注目される。エンマ小麦・アインコルン小麦・二条大麦などの穀物や山羊・豚・犬などの骨が出土しており,穀物の栽培,動物の飼育を物語っている。西アジアにおける農業・牧畜の開始を明らかにする重要な遺跡の一つである。ブレイドウッドは遺跡の年代を紀元前6750年とするが,検討の余地がある。