●ジャーミー
AD1414
1414〜92 イラン東北部,ホラーサーン地方のジャームに生まれた神秘主義者であり,詩人でもある。生地と生地出身の高名な神秘主義者の名にちなんでジャーミーと号した。ヘラートの名門校,ニザーミーヤ学院に学び,さらにサマルカンドにほぼ9年間留学して哲学・神学・法学・文学・論理学を修得した。若くして英才の誇れ高く,ヘラートに戻って教鞭をとるかたわら,著名な聖者と仰がれたサアド=ウッディーンに師事し,謙虚な学者であると同時に神秘主義者として多くの人々の尊敬を集めた。当時イスラーム文化・芸術の中心であったヘラート宮廷に仕えて厚遇されたが,世間的な名望を追わず,粗衣粗食に甘んじ,多くの優れた弟子たちを世に送って恵まれた生涯を終えた。代表作は『七つの王座』と称する7篇の神秘主義叙事詩だが,なかでも旧約聖書およびコーランの伝承にもとづく『ユースフとズライハー』は名高い。近世ペルシア文学衰退期の最後の大詩人としてその名を留めている。