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●シャクンタラー

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 グプタ朝の宮廷詩人カーリダーサの代表作,ナータカ形式の7幕劇。原題『アビシュニャーナ=シャクンタラ』(記念の指輪によって思い出されたシャクンタラー)が示すように,ドゥフシャンタ王と天女の娘シャクンタラーとの恋愛が,呪咀と婚約指輪の紛失によって数奇な運命に弄ばれるが,ついには指輪の発見で再会を果たすという物語。インド文学最大の傑作とされる。この劇のテーマはすでに大叙事詩『マハーバーラタ』(1・68−74)や諸種の『プラーナ』に伝えられており,カーリダーサの独創ではないが,彼の優雅な筆致と豊かな感受性はその伝説に息吹きを与え,古典劇として一新させたのである。1789年ウィリアム=ジョーンズによって英訳されて以来,1791年の独訳の出版はドイツ=ローマン文学に大きな衝撃を与えた。ゲーテは『ファウスト』(1797)プロローグの構想をこの劇の序幕から得たといわれる。『シャクンタラー』には4種の異本があり,デーヴァナーガリー本がもっとも原本に近い。