50音順    検 索

●シャキーブ=アルスラーン

アジア レバノン共和国 AD1870 

 1870〜1946 レバノンのドルーズ派イスラーム教徒名望家に生まれたイスラーム原理主義にもとづく民族運動の第1世代の代表的理論家・著述家。少年期にすでに,レバノンに亡命中だったアブドゥの影響を受ける早熟ぶりであったが,傾倒は生涯変わらなかった。青年トルコ運動に同調はしなかったが,アラブ=トルコ関係の悪化が西欧列強を利することを恐れていた。イギリスの野心・フランスのシリア統治に反発していたから列強のすべてに反対して,スイスに亡命して言論・出版活動をつづけた。歴史や思想問題の著作のほかに詩集もある。イギリスはイスラーム文明の破壊者として彼の最も嫌悪するところであったし,彼は多くの支持者を全アラブ世界にもっていた。1930年代末に一時帰国した際には,アラブ民族主義のイスラーム的本質を力説して青年層を失望させたけれども,イスラーム思想の変革と民族主義の統合という立論は北アフリカ諸国で影響が大きい。