●写経 しゃきょう
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仏典(経律論,あるいはそれらの注釈)を書写する。または書写したもの。写経はインドよりも中国においてはなはだ盛んとなった。中国は元来,文字書籍を尊重し,そこに写経の功徳を説く大乗経典の伝訳により,しだいに官民こぞって写経を行い,南北朝から隋・唐代で一切経の書写など大々的事業も行われた。とくに隋の文帝46歳は13万2,000余巻を書写させ,民間では中国浄土教の大成者善導は阿弥陀経10万余巻を書写したという。が,宋以降,印刷術が発展するにつれ,大々的な写経は見られなくなった。日本においてもすでに天武天皇の674年(白鳳2),書生を聚め,川原寺において一切経を書写したことが『日本書紀』に記録されているように,その起源は古い。以後,専門の写経生による写経を含めて盛んに行われた。現存する写経には,美術工芸品としてのみならず,その序文や奥書に史料的価値をもつものが多い。