●シャガール
NIS諸国 ロシア連邦 AD1887 ロシア帝国
1887〜1985 ロシアのウィテブスクの生まれ。初めペテルスブルグの美術学校で学び,25歳でパリに出て,20世紀絵画の旗手たちを生んだアカデミー=ジュリアンに通った。ここでピカソを知り立体派の影響を受けはしたが,彼独自のイメージに没頭,幻想的な画風をつくる。すなわち,現実と非現実の融合した世界を好んで描いた。それは帝政ロシアの崩壊により,彼が祖国喪失者となったためとも,夭折した彼の美しい妻への慕情ともいわれる。しかし,それは彼が元来民族的資質としてもっていたロシア系ユダヤ人の血に流れる,大地からの童話的な素朴な詩情であろう。彼はまた,第一次世界大戦前後にパリに定住し,異邦人の画家集団であった「エコール=ド=パリ」の一員でもあった。彼らは特定のイズムや流派に属さずに孤独に制作した。それは彼自身がいった“心理的フォルマリズム”と呼ぶ一種の表現主義的形態をとったからで,それが彼独自の夢幻の世界を描かせたのである。97歳で没。