●社会有機体説 しゃかいゆうきたいせつ
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社会を生物とのアナロジーとしてとらえようとした説。H.スペンサーの学説が有名であるが,彼は生物と社会との同質性と異質性を認識していながら,社会分析法としての有効性を主張している。彼によれば,生物と同様に社会も進化し,軍事型社会から産業型社会となる。適者生存が行われて社会環境に適合する人々が優越した地位を得る。また,分業によって社会のなかでそれぞれの役割を担うと説く。この学説は社会進化論とエリート論を含み,階級や身分を特定することになり,全体主義や身分制のイデオロギー的支柱として流布された。しかし,〈スペンサーは死んだ〉との名言が20世紀に吐かれて,社会有機体説はすでにその有効性を失ったが,別の観点からすると,構造・機能分析として新たな蘇生をもたらしたともいえる。社会の機能とは,生物の諸器官の機能とのアナロジーとしてとらえられる。T.パーソンズの社会体系論では,A(適応)・G(目標達成)・I(統合)・L(潜在性)の機能に相当する。