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●社会組織 しゃかいそしき

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 社会生活を豊かにするための諸目的があり,それぞれの目的を達成するのに効率が高い役割の位置づけが明確になっている分業形態としての協働体系。現代は組織の時代といわれ,人々は多くの組織に所属して社会生活をしている。かつても人々は,組織に所属していた。それは,国家であり,ギルドであり,宗教団体であり,農業での協同作業の団体であり,生活上の利便性を求めての団体であったりする。組織の特性によって,目標達成を行う形態は相違する。マックス=ウェーバーは,近代官僚制を形式合理性の高い組織として,非人格的な業務遂行をし,可測性のある協働体系だと理念型を作成した。だが,この特性はヒエラルヒーであり,上昇することで権限は拡大し,下位の成員は命令を受容して執行する主体性を失った存在になる。ところで,A.エチオーニは,権力と成員の関与の形態をそれぞれ3種類に分け,規範的権力と道徳的関与の典型として教会組織を挙げる。神の代理人としての宗教家と信徒のあいだにある無条件の教えと帰依の関係があり,それが教団組織への奉仕活動を生み,必ずしも効率を求めるわけではない。また,報酬的権力と打算的関与の典型としては,企業組織を挙げている。経営者と一般従業員とのあいだには契約がかわされ,経営者は賃金を支払うことで,従業員に目的達成に効率的な貢献を求める。他方,従業員は能力が適正に評価されて報酬が与えられれば,命令に沿って業務を遂行する。両者の利害が調和すると協働体系は円滑に作用する。強制的権力と疎外的関与の典型として刑務所を挙げている。囚人は,社会的逸脱行為をしたために法律の定める服役を強いられ,本人の意思に反して,特定期間は獄吏の監視のもとにおかれて,その命令により生活を規制される。これらは典型であり,多くの組織は権力も複合した性格をもち,成員の関与も多様である。しかし,組織を目的を達成する協働体系とするならば,すべての成員が,それぞれの分担を適切に果たさなければならない。そのためには,指示・命令・連絡が迅速に伝達され,納得がいかなければならない。それには,誤解・曲解を生じさせない業務上の事前の了解事項が必要となる。C.I.バーナードは,それを組織内道徳として堤示し,企業の経営者は道徳創造性がなければならないと述べている。同時に,経営者はリーダーシップを発揮しなければならないという。一つは職位の権威であり,その地位にふさわしい能力をもっていると認められることである。二つはリーダーシップの権威であり,日常生活における判断にでもほかの成員よりも優越した判断力があると認められ,これが成員の信頼を集めて,目的達成を円滑に行う協働体系としての組織の維持を容易にする。これは,組織成員の合意が功利的権力では大きな作用をすることを示す。組織成員の主体性を高めて積極的業務遂行をなさしめるには,彼らを仕事に精励させる動機づけが必要である。それを誘因と総称する。そこには,物的報酬・連帯・社会的貢献・説得などが含まれる。組織が巨大化すると,組織目的と成員の欲求は乖離(かいり)していく。そこで,両者のバランスが大きな問題になる。その点を指摘したのが,ロベルト=ミヘルスの「寡頭制の鉄則」である。彼によれば,社会主義政党を分析すると,本来は民主主義によって,党の運営がなされるはずが,幹部が中心となって,すべての指針を定めていく。また,組織目的自体も,幹部がその地位を保全するためのものに変質されてしまう。このように,大部分の成員は,彼らの意図に反して,幹部に奉仕する結果となる。同様のことは巨大組織に共通にみられる。この事態を改善すべく,企業組織では産業民主主義が労働組合運動から生じ,現代の経営参加論の源泉になる。また,権限委譲・目標管理制度・事業部制もその弊害を取り除く。下からの主体的判断への要求は参加論であり,また上から権力が下降することで主体的判断による組織成員の活性化が図られている。

〔参考文献〕C.I.バーナード,山本安次郎他訳『経営者の役割』1961,ダイヤモンド社

ロベルト=ミヘルス,森博他訳『現代民主主義における政党の社会学I・II』1974,木鐸社

A.エチオーニ,綿貫譲治監訳『組織の社会学的分析』1966,培風館

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