●社会正義 しゃかいせいぎ
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社会(公共)全体の福祉を保障するような秩序をいう。すなわちその社会にあって最も正しいとされる道理のことである。法の多くは社会正義の実現にめざして制定される。これはきわめて抽象的な概念であり,何が社会正義なのかは個人の価値観によるためにまちまちであるといってよい。その好例としては,1984年12月におきたマンハッタンのバーナード=ゲッツ事件があげられよう。これは地下鉄の車中でゆすりを働いた黒人4人組に対し,電気技師のゲッツが所持していた短銃で犯人らに重軽傷を負わせ撃退したという事件である。警察はゲッツを殺人未遂で逮捕したが,ニューヨーク市民はゲッツを英雄と賞讃した。社会正義の実現をめざしてつくられたはずの法を遵守した警察と勇気あるゲッツの行為こそ社会正義を守るものだとする市民の意識の違いがクローズアップされ,アメリカ国内だけでなく,海を越えてわが国においても人々のあいだで話題となり,論義を呼んだのである。