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●社会科 しゃかいか

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 わが国では,第二次世界大戦後の新教育とともに成立した新しい教科。したがってアメリカ合衆国の「社会科」の影響を受けたことは否定できない。しかし,同時に,戦後「社会科」が成立する直前に,文部省内に設けられた公民教育刷新委員会が戦前の教育を反省し,刷新された「公民科」をもって戦後の教育の中心としようと構想したこと,そして,この構想を背景に「社会科」が成立したことについて留意することが大切である。

【基本的性格】発足当時の「社会科」については,当時の学習指導要領が,〈今度新しく設けられた社会料の任務は,青少年に社会生活を理解させ,その進展に力を致す態度や能力を養成することである。そして,そのために青少年の社会的経験を,今までよりも,もっと豊かにもっと深いものに発展させて行こうとすることがたいせつなのである。社会生活を理解するには,その社会生活の中にあるいろいろな種類の,相互依存の関係を理解することが,最もたいせつである。そして,この相互依存の関係は,見方によっていろいろに分けられるけれども,ここでは次の三つに分けることができよう。1.人と他の人との関係,2.人間と自然環境との関係,3.個人と社会制度や施設との関係〉と述べている。そして全般的に,単元構成による問題解決学習を指向する経験主義の「社会科」としての基本的性格をもっていた。そして,小学校から高等学校の第1学年まで「一般社会」という総合的な学習が中心をなしていたのである。

【変遷について】この総合的な「社会科」は,昭和30年代になるとしだいに系統的知識を重視するようになっていった。中学校「社会科」は,地理,歴史,政治・経済・社会(公民)の3分野によって構成されるようになり,高等学校「社会科」もしだいに個別的な科目に分かれる傾向を示すようになった。つまり,高等学校の場合には,「一般社会」が「社会」になりこれが「倫理・社会」「政治・経済」に分かれ,「日本史」「世界史」「地理」とともに高校「社会科」を構成することになった。科目の独立性が強く,科目あって教科なしという批判もなされるようになった。

【現行の「社会科」】小学校は昭和55年度より,中学校は56年度,高等学校は57年度(ただし学年進行)より新教育課程に入ったが,この現行「社会科」は,小・中・高一貫の観点に立って構想されている。各学校段階における社会科の目標は,小学校が〈社会生活についての基礎的理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う〉であり,中学校は〈広い視野に立って,我が国の国土と歴史に対する理解を深め,公民としての基礎的教養を培い,民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う〉ことをめざし,高等学校は,〈広い視野に立って,社会と人間についての理解と認識を深め,民主的,平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民的資質を養う〉となっている。つまり,小・中・高と一貫して,社会認識を通して公民的資質を養うところに社会科のねらいがあるということができる。教科構造の特色としては,小学校「社会科」が総合的な性格であるのに対して,中学校「社会科」においては,第1,2学年を通して地理的分野と歴史的分野を並行して学習し,その基礎のうえに第3学年で公民的分野を学習するといういわゆるπ型を原則としている。また,高等学校「社会科」においては,必修科目としての「現代社会」(社会科の科目)が新設され,この「現代社会」は,小・中学校「社会科」の延長線上に位置づけられ第1学年で学習されることを原則としている。そして,この「現代社会」を基礎として,「日本史」「世界史」「地理」「倫理」「政治・経済」(これらはすべて選択科目)が学習されることになっている。「現代社会」では,現代社会の基本的な問題および現代社会と人間の生き方について,生徒が自らの課題として学習に取り組むことが期待されている。