●シャイターン
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サタン(悪魔)を意味するアラビア語。『コーラン』では,シャイターンは人間にささやきかけて悪の道に誘いこむ悪霊として現れる。〈信ずる人々よ,酒,賭矢,偶像,矢占いはどれもいとうべきもの,サタンのわざである〉(第5章90)。また神と人間の中間的存在として,天使のほかにイブリースやイフリート・ジンといった霊鬼のたぐいが出てくるが,イスラームの学者は定冠詞のついた単数形のシャイターンがイブリースであり,複数のシャイターンの首領であると説明する。実際にはその明確な関係は不明。ただ『コーラン』のなかで『旧約聖書』のアダムとイブの物語を引用した箇所に,禁断の実を食べるよう唆したのが,シャイターンとしている(第7章20)のは,シャイターンの概念がユダヤ伝説からの借用であるといえる。