●シャー=アッバース1世 シャー=アッバースいっせい
AD1571
1571〜1629(在位1587〜1629)サファヴィー朝第5代の王。第2代王タフマスプ死後の内政混乱と対外的危機を克服するため,政治・軍事・経済・社会各方面の改革を断行し同王朝の最盛期を現出。改革の主なものは次のとおり。[1]強力な軍事力を背景に王朝創建以来国政を牛耳ってきたクズルバシュ貴族の勢力を抑えるため,奴隷軍を創設し,近衛軍を強化したこと。[2]同様の目的で地方長官にこの両軍出身者を多用したこと。[3]同様の目的でいくつかの大部族の分割,遊牧地転換を実施。[4]オスマン帝国軍に対抗するため近代兵器を装備した銃兵隊・砲兵隊を創設。[5]経済再建のための税制・俸給制改革。[6]シーア派十二イマーム主義の普及。[7]新首都イスファハンの建設をはじめとする大建築事業。これらの改革は一時的に成功するが,それは同時にサファヴィー朝建設の原動力となったクズルバシュの衰退をもたらし,彼以後の王朝衰微の一因ともなった。