●市民政府二論 しみんせいふにろん
AD
ロックの政治論の主著で,17世紀イギリス政治思想を総決算する近代市民政治論の古典的名著。1690年ロンドンで匿名出版。第一論文は,フィルマーの王権神授説に反論し,第二論文はロックの自説を論述したものである。彼は,自然状態を戦争状態と区別し,自然状態において自由・平等・独立の個人が生命・自由・財産に対する所有権=自然権と,それを守るための自然法の執行権・処罰権をもつことを前提として,同意による共同体の理論を媒介にしつつ,自然状態の不安定を克服するために,人々が信託によって政府を設立するという社会契約論を展開した。彼はこの理論を立憲君主政論と折衷し,権力分立を唱えながら,政府の信託違反に対する個人の抵抗権・革命権を主張し,名誉革命に帰結した1680年代のウィッグの閾争の理論的正当化を行った。彼の理論は,アメリカ独立革命やフランス革命にも大きな影響を与えた。