●四民月令 しみんげつれい
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後漢の崔寔(さいしょく),(103/126〜170,永元15/永建1〜建寧3)の著。原本は南宋−元のあいだに亡失し,明・清以来逸文の集録が重ねられてきた。石声漢の『四民月令校注』(1965,民国54)が出版され,またこれを底本とした大阪市立大学の『「四民月令」訳注』(1)(2)が出版された。これらが本来の完本(一巻とされてきた)のうち,どれほどの分量になるのか確定はできないが現在手にし得る最善のものである。月令とは12カ月の時節に応じて為政者が布く政令のことである。崔寔はこれを四民,つまり士農工商という庶民の準拠すべき12カ月の行事という形で著述したのである。ただしその内容は,洛陽あたりの士大夫階級でかなりの耕地を有した豪族が,宗族の祭祀や子弟の教育の月々の行事と,奴客などを使役して農業や手工業を営み,物を安く買い入れて高く売る商業を行う行事からなっている。それは後漢半ばの豪族の生活を具体的に述べているのでこの時代の農業を知る重要な農事暦である。この点資料として貴重である。