●ジブラルタル
ヨーロッパ 英国 AD
イベリア半島南端の岬。アフリカ北西岸を臨み,地中海と北大西洋の境をおさえる長さ58km,最狭部の幅14kmの海峡の名称でもある。全体が岩から成るが,現在はイギリスの直轄植民地で,岩山の断崖または急斜面の上に海軍基地が築かれている。西側は港として利用され,自由貿易港としてもにぎわい,観光化もすすんでいる。東の入口の二つの岬は,ギリシア時代〈ヘラクレスの柱〉と呼ばれ,アトラス神はこれを支柱として天を支えていると信じられていた。このように,ギリシア・ローマ時代から歴史に登場し,アジア・アフリカ・ヨーロッパの各民族の争奪の地であった。とくに,711年にイスラーム教徒のタリクがここを占領してからは,1462年までスペインとイスラーム教徒のあいだの攻防争奪が相次いだ。その後1704年にイギリスに占領されて英領となり,こんにちにいたっているが,地理的に枢要の位置にあることから,両大戦中も軍事基地となるなど,国際紛争の場となった。