50音順    検 索

●士農工商 しのうこうしょう

アジア 日本 AD 

 近世,とくに江戸時代封建制社会の基本的身分制をいう。この身分制の基礎となったものは,検地による兵農分離体制である。しかし士はともかく農工商の順序は意識の問題であって現実の問題としてははたしてそうしたものがあったかどうかは不明である。天正年間に豊臣秀吉が四民の身分の分離固定を企てたことに始まる。武士の封建支配の維持のためには社会身分の固定を必要とし,農本主義的政策ゆえに農を中心としている。将軍から足軽までの士が上に立つ。農は村役人から小前まで,本百姓身分でないもの,小作人・庭子(にわこ)・家抱(けほう)のような隷農までを含む。工は職人,商は商人をさす。工商を一括して町人という。これには両替から礼差まで多種多様のものがある。四民の下に非人があった。幕末の社会変動によって,日雇・日傭層が世直し層へ変わり,また都市の貧しい人々の自覚もあって,武士階級の没落となる。維新後,士農工商を廃止したが,華士(卒)・平民に再編成しているので,まったく変わっていない。戦後になって初めて,族籍が廃止されている。