●史通 しつう
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唐の劉知幾撰。20巻。710年(景竜4)完成。中国では清の章学誠の『文史通義』と並んで,史評と呼ばれる分野を代表する書である。内篇10巻39篇(内3篇は亡佚),外篇10巻13篇より成り,内篇ではおもに史書の形式を論じ,外篇では史書の批判を行って,正統とされている思潮に懐疑の眼を向け,忌憚のない批判を加えている。『疑古篇』や『惑経篇』では,『尚書』『春秋』などの経典を容赦なくこきおろし,『雑説』では,『史記』や『漢書』もやり玉にあげている。史館において上司と合わず,にらまれたこともその筆法に影響を及ぼしていると思われるが,王朝そのものに対してはこの上もない信奉者であり,国史も史官が執筆すべきで,王朝ごとの断代史が正史であると主張し,その点では『史記』よりも『漢書』をもち上げている。発表当時からそしりを受けて読まれなくなり,宋代にはほとんど流布しなかったようだが,約800年後の明代に,まず陸深によって蜀本,続いて張之象により呉本(いずれも宋版)が発見されたため,翻刻して広く読まれるようになった。なお注釈本としては,清の浦起竜の『史通通釈』が手ごろで,標点本も手に入る。〔参考文献〕増井経夫『史通』1981,研文出版