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●自然食 しぜんしょく

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 自然食とは,われわれの体の自然,つまり健康を目覚めさせてくれる食事のことである。一般には,〈自然な食べものを食べることが自然食だ〉といったとらえ方をしている人が多い。これは間違いではないが,完全に正しいともいえない。公害物質や食品添加物などによる汚染がなくて,モノそれ自体は自然そのものであっても,われわれを阻害するものを食べることは自然食とはいえない。たとえば,有毒成分をもつ毒キノコや血液を著しく汚す肉・牛乳・卵などがそれである。

【食が血になり,体をつくる】現代人に,ガンを初め血管・心臓病・肝臓病・アレルギー性疾患などの慢性病が激増してきているのも,そのためだ。その真因は,日常の食事内容の混乱にある。本来の健康を取り戻すためには,食事を正すことによって,自然治癒力の増強をはかることが不可欠なのである。なぜ食物というものが,これほどに重要な役割を果たしているのかという理由は,われわれの体の構造から見ればすぐにわかることである。われわれの体は,いうまでもなくすべての器官・組織が一つにまとまった有機的統一体となっている。けれども,生命形態の次元としてみていくと,三つの異なった層が重なった状態になっている。すなわち,中心部が“食物の世界”,それを取り巻いて“血液の世界”があり,一番外側は“体細胞の世界”となっている。口から取り入れた食物が,体の中心部を貫いている腸管内に入り,その食物が消化されると,腸粘膜に取り込まれて赤血球(つまり血液)につくりかえられ,さらにその血液は全身を循環していき,全身の組織において固定組織細胞(体細胞)に変化発展していく。このように,食物→血液→体細胞というように,生命形態の次元をしだいに高めつつ遠心的に発展していっている,これがわれわれの体というものの実体なのである。体というものは,単なる蛋白質のかたまりなどではなく,絶え間なく発展をしているダイナミックな運動体なのである。

【食事しだいで体質は良くも悪くもなる】一言でいうと,われわれの体は“食物の化身”といえる。体は食物を素材にしてつくられているから,体質や内臓機能も食物の質しだいで良くも悪くもなるのである。われわれの体自体にこのような原理があるから,食生活の誤りは体をこわし,さまざまな病気を生む結果になり,逆に食生活を正すことによって健康を甦らせることもできる,と理解できる。そして実際に,そういう考え方のもとに食生活を正していくと確実な成果が得られるから,その事実によって“食→血→体”の原理が,間違いなく存在することを裏付けされることになる。

 食物は,それ自体が丸ごと生命に発展していくものであるから,単なるカロリーや栄養素の寄せ集めではない。したがって,蛋白質を何G・ビタミンCを何mGといったカロリー計算は無用となる。

【自然食のポイント】血液の質を良くする,内臓機能を健全・強化するためには何を食べるべきかといった視点から,食事内容を規定していかなければならない。数万例もの臨床例の裏付けもされている正しい食事(自然食)のポイントは,次のとおりである。[1]主食は未精白穀物とする。玄米を主体として玄麦・アワ・キビなどを混ぜた雑穀飯が理想である。[2]副食の中心は植物性食品にする。これにミネラル食品として小魚貝類を加える。[3]腸を整えるために味噌・醤油などの発酵食品をしっかり摂る。[4]動蛋食品(肉・牛乳・卵),精白食品(白米・白砂糖・化学調味料など),加工食品は極力避ける。[5]現に今,慢性病を患っている人は,体内に蓄積している毒素・有害物の排出を促すために,自然治癒力増強食品(健康補強食品・薬草茶など)を補足する必要がある。

〔参考文献〕森下敬一『自然医学の基礎』1980,美土里書房

森下敬一『血球の起原』1960,生命科学協会