●詩経 しきょう
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中国,儒教経典の一つ。中国最古の詩集である。古くは単に『詩』といい,宋代以後『詩経』と称する。また現在のテキストは毛亨(もうこう)の伝えたものなので『毛詩』ともいう。305編の詩からなり,風,雅,頌の3部に分かれる。風すなわち国風は,主として民間の風俗から生まれた民謡で,周南・召南・ハイ※注1※・ヨウ※注2※・衛・王・鄭・斉・魏・唐・秦・陳・檜(かい)・曹・ヒン※注3※の15風160編からなる。雅は小雅74編・大雅31編に分かれ,合わせて二雅という。小雅は主として貴族の饗宴などに歌われるもので,儀礼的な歌や乱世に対する諷刺・嘆きの歌が含まれる。大雅はやや公的な王室の儀礼などに歌われ,周の歴史を歌い周王を賛えるものや,周王に対する諷諌・嘆きの歌が含まれる。頌は廟歌で,周,魯,商の3頌40編からなる。編集の年代・事情は不明であるが,孔子が古来の詩3,000余編のなかから300編を選んだと伝えられており,また『論語』に風雅頌の分類がみえることから,西周〜春秋時代にかけて成立した詩編が,孔子のころにはほぼ現在と同じ形で編集されていたと考えられる。のちテキストの整理,儒教の経典化に伴い,さまざまな解釈が現れ,漢初には魯の申培が伝えた『魯詩』,斉の轅固生(えいこせい)が伝えた『斉詩』,燕の韓嬰(かんえい)が伝えた『韓詩』,毛亨の伝えた『毛詩』の4家が存在した。当時は今文(当時通用の字体)のテキストである魯,斉,韓の3家が優勢であったが,後漢の鄭玄(じょうげん)が古文(先秦の古い字体)の『毛詩』を中心としてそれに箋(注釈)をつくり,さらに唐の孔穎達(くえいだつ)が疏を附して『五経正義』に採用したので,『毛詩』以外の3家は滅びた。『毛詩』の注釈は,古代詩を後世の政治哲学で解釈し,多くの付会の説をなしたものであったが,宋代に入ってこの伝統的な解釈に批判が生まれ,朱熹の『詩集伝』を代表とする新しい解釈がほどこされた。〔参考文献〕白川静『詩経研究通論篇』1981,朋友書店
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