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●シェンキェヴィッチ

ヨーロッパ ポーランド共和国 AD1846 ロシアによる支配

 1846〜1916 ポーランドの作家。ネロの初期キリスト教徒迫害を背景とした古代ローマの絢爛たる歴史絵巻で,今日なお世界中で多くの読者を獲得している長編歴史小説『クウォ・ヴァディス』(1895〜96)で1905年ノーベル文学賞を得た。ポーランド実証主義期の3巨匠の一人で,アメリカ滞在やフランス,イタリア旅行の観察・体験をもとに書いた貧しい者への同情と社会的不正に対する抗議を込めた見事な短編『木炭画』(1877),『音楽師のヤンコ』(1879),『パンを求めて』(1880),『燈台守』(1881)などから出発したが,のちに外国の占領下にある国民に民族精神を覚醒させようとして歴史小説に移り,栄光と悲惨に満ちたポーランドの過去に素材をとった長編3部作『火と剣とによって』(1884),『大洪水』(1886),『パン・ヴォウォディヨフスキ』(1887〜88)を発表して大衆的人気を博した。現代小説2作(『ドグマなしで』(1891),『ポワニェフスキ家の人々』(1894))のあと,再度歴史小説に戻り,『クウォ・ヴァディス』およびドイツ騎士団との長い戦いを描いたこの作家最高の傑作とされる『十字軍の騎士』(1900)を書いた。他に少年少女冒険小説『砂漠と原生林のなかで』(1911)などがある。第一次世界大戦中,亡命地スイスで客死。