●シェーラー
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1874 ドイツ帝国
1874〜1928 ドイツの哲学者。ミュンヘンに生まれ,イエナ大学でオイケンに学ぶ。フッサールの知己を得てより「現象学」に親しみ,1913年と1916年に主著『倫理学における形式主義と実質的価値倫理学』を発表,カント倫理学の形式主義を批判し,カトリック思想を背景とした現象学の立場から,感覚・生命・精神・人格の倫理的な諸価値の実質上の序列を説いた。1919年,ケルン大学教授に就任し,1921年には『人間における永遠なるもの』で,人格価値のもとに生じる聖なる価値を論じて「宗教哲学」を展開した。1923年ころよりカトリックの信仰を離れるにいたり,人格共同体を問う「社会学」への関心を深め,1926年の『知識の諸形態と社会』においては,知識の諸形態はつねに社会の構造に制約されるがゆえに社会学的であると考え,「知識社会学」を提唱した。晩年は,人間を神の同労者に位置づける哲学的人間学の体系化を試みたが,1928年フランクフルト大学に転じてすぐに急逝した。