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●三論宗 さんろんしゅう

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 南都六宗の一つ。中国13宗の一つ。『中論』,『十二門論』,『百論』の3論を所依の聖典とするゆえに三論宗という。大小乗の諸法門の迷執を破することがすなわち中道の真理究明にほかならないことを宗義とし,諸法皆空を主唱するゆえ空宗ともいう。宗門の大成者吉蔵の門下僧,高麗の慧潅によって625年(推古33)に伝えられた。この伝来は日本におけるいわゆる宗派仏教のはじめといわれる。慧潅は初め元興寺(飛鳥寺)に住したので,この流派を元興寺派といい,慧潅の弟子法隆寺の智蔵が入唐して伝えた流派および701年(大宝1)に入唐して本宗を伝え,大安寺に拠って本宗を弘宣した道慈の流派の大安寺流と併称して「三論宗三伝」といわれている。

〔参考文献〕田村圓澄「三論・法相伝来考」『史学論集 対外関係と政治文化』1974,吉川弘文館

日幸黙僊「奈良仏教の経典」『飛鳥・奈良仏教』アジア仏教史・日本編1976,佼成出版社