●山論 さんろん
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山林・原野をめぐる入会権や入会場の境界の争論。法制史側からは林野所有の形態や入会構成員などの制度史的側面からあつかわれ,歴史学の分野では地付入会から村中入会,村々入会の成立を,小農民自立期の農民闘争として扱った。最近は村共有地をめぐる村落間出入と,それへの裁許のあり方より,幕藩国家成立期の村落と領主権力のかかわりに視点をおいた研究が現れている。それによると争論は近郷や隣郷がかかわって決着をみるが,その際に起請を媒体にして一味神水的結合として,近郷・隣郷が存在し,領主裁判はそうした在地秩序を無視できなかった。また山境争論では,領主側では領主権威によって容易にかたづくと判断したが,両村が争論の決着を鉄火の勝負を要求して実行した。共同体側の提起が領主権力を規制したのである。〔参考文献〕山本幸俊「近世初期の論所と裁許」北島正之編『近世の支配体制と社会構造』1983,吉川弘文館
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